おはなしの森 座談会
「みんなで話そ!わくわくの外遊び」その2

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おはなしの森 座談会「みんなで話そ!わくわくの外遊び」その1の続きです。

やっし:会場の中から、他に聞いてみたい!という方いらっしゃいますか?

来場者1:お友だちに誘われて神奈川から来ました。山の中の保育園に通ってるんですが、土日は山に行きなさいって言われていて、結構苛酷なんです。それで、よくケガをするくらい生存状況が危ういくらいまで追い詰める感じのところがあるんです。命の危険があるから、ここは雨が降ってるから崖が崩れそうとか、だったら今日は山に行かないとか、そういう判断をしなければいけないけど、なんか最近力不足を感じていて、どのくらい本気で遊ぶのかが最近テーマなんですよね。時々力抜くくらいじゃないと、大きなケガをする子とかもいるみたいで…。トライ&エラーでやっているんですけど、どうしたらいいのかなって。

フジイ:すげ〜〜〜。

やっし:すごいハードですね。保育園のことなので、フジイに聞いてみましょう。

「ねばならない」保育をしちゃうと親も子も疲れちゃうから、やめたほうがいい

フジイ:園ともう少しコミュニケーションがとれるといいね。親はこういうところが不安なんだって伝えて、保育園側もちゃんと思いを伝えるっていう、やりとりが必要じゃないかな。でも「ねばならない」保育をしちゃうと親も子も疲れちゃうから、やめたほうがいいよね。私もかつて「ねばならない」保育をしていた時期があるんですよ。子どもはこうしなければ育たないってやっちゃうと、どこかにしわ寄せがくるんです。山に登らなくたって、ある意味育つ。部屋にいたって子どもは育つ。でも基本は外に行った方が気持ちいいし、親も子どももイライラしないし。そういう意味では外に行った方がいいけど、だけど、山登んなきゃ育たないってことはないよね。そこまでやんなくていいんじゃないですか?とか気軽に言ってみる。そういうのも大事。まぁ言えない雰囲気もあるよね(笑)。

来場者1:土日は親がみんなで山に連れていけっていうのをやる園なので、親同士でパーティ組んで行くんだけど、経験は私たちくらいしかないから、不安で。周りに山が多くて小学生とか学校から帰る途中に山に行っちゃう。ちょっと危ないけど親は放置状態で見てないから、どんな危険なことをしてるか知らない。その辺はちょっと放置したほうがいいんですか?

フジイ:放置されたい子どもたちもいるんだよね。プレーパークでも廃材置き場の裏とかね。見られない場所をよく探すよね、子どもたち。大人の目の死角を探したいって言うか。そういうテリトリーとか時間も必要なんだよ。そういう場面を時々回ってみたりとかしないとね。

淵上:隠れたいのって、どれくらいから?

フジイ:小さいうちからあるよ。2歳児くらいからいなくなっちゃうよ。

やっし:やんなきゃいけないと思って大人がやってたら、果たして子どもは楽しいんだろうか。親が行って楽しければ意味があると思うけれど、それは子どもが楽しんでるかどうかで判断したらいいんじゃないのかな。さっちゃんも言ってたけど、たまには家で絵本を読みたいという時もあるかもしれないし、今日はゆっくりしたいという時もあるかもしれない。山で遊ぶことを強制したら、それは遊びじゃない気がする。かなりハードな話でしたが、他に何かありますか?

ケガをしても、治ったら「治ったからもうオレ落ちないよ、ちょっと登れるから見てて」っていう風につながっていくんです

来場者2:私も横浜から来ました。横浜にもプレーパークあるんですけど、そこで今お手伝いをするかどうか迷っていて…。

フジイ:ぜひぜひ

来場者2:自分の子だったら怪我しても全然平気だけど、スタッフになるとみんなを見なきゃいけなくて、もし自分が関わった子が怪我しちゃったらどうしようっていうのが怖くて、スタッフになるかどうかを迷ってるんですけど、皆さんどういう気持ちでなさっているのかなと。

フジイ:はい!(とさっちゃんにマイクをわたす)

さっちゃん:テットーひろばは、来ている子が未就学児が多いんです。プレーパークでのケガは2種類あって、例えば、階段が腐ってたのに放置してて、そこに足かけて怪我しちゃうってていうような場の管理が原因のケガと、子どもがやりたくてやったけど、うまくできなくてケガしちゃったっていう2種類があるんですね。
 場の管理については、子どもが予想できないところでケガしないように、徹底的にプレーワーカーやスタッフが毎朝確認しているんです。でも子ども自身のケガに関しては、やってみないと子ども自身がわからないことっていっぱいあるんです。もちろんケガは極力避けたいところではあるんだけど、大人はめげるても、実は大抵の子どもはめげないんです。

来場者2:へぇ。

さっちゃん:例えば、木の上から落ちて骨にヒビが入るようなケガをしても、治ったら「治ったからもうオレ落ちないよ、ちょっと登れるから見てて」っていう風につながっていくんです。スタッフになって全体を見なきゃいけないと思うと大変だし、そこまで私たちも見切れていないから、テットーひろばの場合は、大人が子どもを一人で見てると大変だから、みんなで見守る雰囲気にしていこうよ、その中で起きたケガはみんなでフォローしていこうよ、って。
 小さい年齢の子たちには、自分の責任で自由に遊びなさいっていうのはとても酷なことだと思っています。自分の責任も何もないじゃないですか。挑戦した結果のケガは、誰かのせいでもでなくて、地域全体で見守って「大丈夫?いい病院紹介するよ」とかフォローしあうことが一番大事。自分のせいでケガをしちゃったとか、そういうことは無いと思うんですね。だからみんなでフォローし合って、やってみてください。楽しみにしてます。

来場者2:ありがとうございます。

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